三木市周辺のお花のスポット⑤協同学苑の梅

長かった冬が終わる3月になると、一輪、二輪と梅の花がほころんで春の訪れを感じさせてくれます。桜ほど華やかさはありませんが、物静かに咲く梅の花には、寒さに耐え忍んだ私たちの心を惹きつける魅力があります。今回は三木市青山にあるコープこうべ協同学苑の梅をご紹介しましょう。

梅の花について

梅ってどんな花?

梅はバラ科サクラ属の落葉高木です。そのまま放っておくと10mほどにまで伸びるのですが、昔から「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、梅は低く剪定することで毎年綺麗な花をつけるという特性があります。梅は花を観賞する「花ウメ」と、実を収穫することを目的とする「実ウメ」の大きく2種類に分類されています。「花ウメ」には一重や八重、また色も白・ピンク・赤など品種も豊富です。一方「実ウメ」は一重の白花で、全国にある広大な梅園では、この「実ウメ」が多く見られます。

梅の歴史

梅の原産地は中国で、日本に渡ってきたのは奈良時代といわれています。万葉集の中には梅を詠んだ和歌が100首以上あり、古来より日本人に愛されてきたことがうかがわれます。『東風吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ』これは菅原道真の有名な和歌です。京都から太宰府に左遷された道真が、大切にしてきた梅を思って詠んだ歌で、その道真を慕って梅が九州に向かって飛んで行ったという「飛梅伝説」もあります。

梅の花の特徴

花の特徴

花の色は白・ピンク・赤で、一重咲と八重咲があります。1節に1輪咲きなので、ぽつりぽつりと咲いて桜と比べるとどうしても地味な印象です。 梅の花は1月~3月に咲きますが、その頃は冬から春へと移行する時期なので、地域によって多少の変動があります。遠方の梅園に行く際には、開花情報をチェックしてからお出掛けしましょう。

実の特徴

花が咲き終わった後、5月~6月になると緑色の梅の実が収穫されます。梅干しや梅酒を作るために、毎年スーパーに出回るのを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。梅の実にはクエン酸をはじめ、多種類の有機酸が含まれています。これらの酸は疲労回復や代謝促進など、体にとってとても有効な成分なので、酸っぱいから苦手…と言わず、積極的に食べるといいですよ。

協同学苑の梅園

今回おすすめのスポットは、三木市青山にあるコープこうべ協同学苑の梅園です。広々とした庭園の西側に位置する梅園は園内を一周する遊歩道に隣接しています。この遊歩道はウォーキングしたり犬の散歩に来たりと、地域住民の憩いの場所になっています。西側の斜面を利用して段々に植えられた梅が満開になると、あたり一面に甘い香りがただよい、鳥のさえずりも聞こえて心癒されます。協同学苑は桜並木が美しいことで有名ですが、少し離れた場所に素晴らしい梅園があることをご存知ない方もおられるのではないでしょうか。例年であれば3月初旬からほころび始める梅の花ですが、残念ながら2020年は暖冬のため、開花時期が早まって見頃は過ぎてしまいました。来年以降、ぜひ訪れてみてくださいね!

協同学苑について

協同学苑はコープこうべの研修施設として建立されましたが、職員や組合員以外の一般の方も利用することができます。敷地内には研修棟、宿泊施設、レストランが完備されていて、コープこうべ主催のカルチャースクールの教室も開催されています。またグラウンドや体育館もあり、野球の練習やテニススクールに参加することもできます。250台収容可能の大きな駐車場もあるので、車でのアクセスも便利です。

住所: 〒673-0592 兵庫県三木市志染町青山7丁目1-4     電話番号:0794-85-5500  

協同学苑の公式HP

まとめ

どこか控えめで、奥ゆかしさを感じさせる梅の花。桜のように華やかさはありませんが、清楚な美しさと甘い香りに心惹かれます。今でこそお花見というと桜を見ることを指しますが、奈良時代の日本ではお花見とは梅の花を愛でることだったといわれています。春風に誘われて、協同学苑の梅で一足早いお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。