三木市周辺のお花のスポット③伽耶院の彼岸花

2020年1月25日

夏の暑さも過ぎ、秋のお彼岸が近づいてくると、三木市内の田畑のあちこちで真っ赤に咲く彼岸花を見かけるようになります。でも道に車を止めてゆっくり見ることもできません。そんなときはぜひ伽耶院へ!静かな境内にひっそりと咲く彼岸花を見ることができますよ。

彼岸花について

彼岸花ってどんな花?

彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。その名の通り、9月のお彼岸が近づくと、地面から葉がない一本の花茎を伸ばして、先端に一輪の真っ赤な花を咲かせます。花びらは外向きにカールし、長いしべが特徴的な花です。また彼岸花には「曼珠沙華(まんじゅしゃげ・まんじゅしゃか)」という、宗教に由来する別名もあって、山口百恵さんの歌のタイトルにもなっているのをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

開花時期はちょうどお彼岸の頃、9月中旬から下旬にかけて咲き、その後は跡形もなく消えてしまいます。突然現れてあっという間に消えてしまう彼岸花。どことなく摩訶不思議な雰囲気があるのも、こういう特性が関係しているのかもしれませんね。

彼岸花が不吉な花と言われるのはなぜ?

彼岸花の球根は強い毒性を持っています。このために、彼岸花を食べると生命に危険が及ぶということから、「毒花」「痺れ花」という別名が付けられました。また彼岸花はよくお墓の近くにも植えられてきました。昔の日本は土葬だったために、もぐらやねずみに遺体を食い荒らされないように、毒性を持つ彼岸花が利用されたというわけです。 「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」 というふうに呼ばれることがあるのも、こういう理由があるからです。

このように、どうしてもマイナーなイメージが拭い切れない彼岸花ですが、その花姿は神秘的で妖艶さもあり、写真愛好家に人気が高い花のひとつになってきました。秋になると、全国にある群生地にカメラを持って多くの人が訪れています。

伽耶院の彼岸花

彼岸花はごく普通に道端に咲いているので、どこでも見かけることはできます。でもただ通りすがりに見るだけではなく、じっくり鑑賞したい、ゆっくり撮影したい、という場合は、この伽耶院に行かれることをおすすめします。

伽耶院には駐車場もありますし、それほど人も多くないので、ひっそりと咲く彼岸花の雰囲気を楽しみながら散策することができますよ!伽耶院の彼岸花の見頃は秋分の日前後、境内や駐車場など、あちこちにたくさん群生して咲いています。お寺にお参りして、心静かに彼岸花を見ながら、ご先祖様に思いを馳せるというのもいいかもしれませんね。

伽耶院について

千三百年以上の歴史を誇る伽耶院

伽耶院は 645年に法道仙人により開基されたとされ、 本山修験宗のお寺として古い歴史を持っています。新西国三十三箇所観音霊場の第26番札所になっているので、御朱印もいただけます。拝観料は境内の草引き10本なので、訪れた際にはご協力しましょう!

毎年10月の体育の日には、採燈大護摩供(さいとうだいごまく)法要が行われ、全国から多数の山伏が集まって、壮大な護摩法要を行います。ほら貝の音が境内に響き、高く積まれた桧葉に点火され、山伏問答や弓・剣・斧の作法が披露されます。近畿地方では最大と言われるこの法要には、毎年多くの参拝客も訪れています。

また、お正月には初詣も行われます。日本人は初詣というと神社に行くことが多いのですが、この伽耶院の初詣では、山伏姿のご住職が、一人一人の肩を長い木の棒でたたき、一年の無病息災を祈願してくださいます。心地よい痛みに背筋が伸びるようで、年の初めに心が引き締まる思いがしますよ。

伽耶院へのアクセス

住所:兵庫県三木市志染町大谷410   TEL.0794- 87-3906

車:山陽自動車道 三木東IC より北へ
  大谷口交差点を右折4分

電車:神戸電鉄 緑が丘駅 下車
  神姫ゾーンバス(※土日祝日のみ運行)緑が丘駅発~ネスタリゾート神戸行            伽耶院口下車→徒歩10分

まとめ

幼いころ、彼岸花を摘んで家に持って帰ってはいけない、と母親から言われた記憶があります。きれいな花なのにどうしてなんだろう…と子ども心に不思議に思ったものですが、今となればようやくその理由が分かったような気がします。伽耶院は志染町にある静かなお寺です。一面に彼岸花が咲き広がる境内はまた格別な雰囲気がありますので、ぜひ一度訪れてみてくださいね!