三木市周辺のお花のスポット⑥伽耶院のカタクリ
「カタクリ」という花をご存知でしょうか?早春の山や森に咲くピンク色の可憐な花です。 愛好家も多く、開花時期になると全国にある自生地では「カタクリ祭り」も開催されて、多くの観光客でにぎわいます。今回はその人気のカタクリが三木市内でも自生しているお寺、伽耶院のカタクリについてご紹介します!
カタクリってどんな花?

絶滅危惧品種に指定されている
かつては山や森に咲くカタクリがたくさん見られましたが、近年では人気のあまり乱獲や盗掘が多く、また開発によって生息地が失われ、その個体数が少なくなってきています。そのため地域によっては保護する必要がある「絶滅危惧種」に指定され、地域住民の保護活動によって見守られながら咲き続けています。
「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)
カタクリは別名「春の妖精」(スプリング・エフェラメル)と呼ばれています。「エフェラメル」というのは、 もともと「はかない命」という意味があります。カタクリは種から7~8年かかってやっと発芽します。そして3月下旬に花が咲きますが、花の開花期間はせいぜい2週間ほど。2ヵ月ほど経つと葉も枯れてなくなってしまいます。また翌年の春には花が咲きますが、なんとも短くはかない花の命ですね。
片栗粉の原材料

カタクリは昔、根からでんぷんを採っていました。このでんぷんがいわゆる「片栗粉」として利用されていたそうです。ただ採取できるでんぷんの量が少ないことと、カタクリもだんだん数が減ってきていることから、次第にじゃがいもから片栗粉を作るように変わっていったのです。
カタクリの花言葉
カタクリの花言葉は、「初恋」「寂しさに耐える」 。うつ向きがちに咲く花の姿から、また1株から1輪だけしか咲かないことから、このような花言葉がついたのでしょうね。奥ゆかしいカタクリにぴったりの言葉だといえます。
カタクリの特徴

花の特徴
花びらは淡いピンク色でほっそりとした形をしています。開花時期は3月下旬から4月上旬まで。気温が高くならないと花びらを開かないので、朝夕には花びらを閉じています。日が当たるようになると花びらを外側に反り返させて咲きます。背丈が10~15cmと低く下を向いて咲くので、低い位置から眺めてやっとしべの様子もわかるという感じです。
葉の特徴
根元からから2枚の葉が生えます。形は長い楕円形で、花びらが細長いのに対して、葉は比較的広がっていて大きい印象があります。 葉は厚くて軟らかく、ほとんど地面に張り付くように広がります。葉は緑に茶色の斑点が入ったような模様になっています。
伽耶院のカタクリ
伽耶院について

伽耶院は 645年に法道仙人により開基され、 本山修験宗のお寺として古い歴史を持っている古刹です。 毎年10月の体育の日には、採燈大護摩供(さいとうだいごまく)法要が行われ、全国から多数の山伏が集まって、壮大な護摩法要を行います。 また、お正月の初詣では、山伏姿のご住職が一人一人の肩を長い木の棒でたたき、一年の無病息災を祈願してくださいます 。
アクセス
住所:兵庫県三木市志染町大谷410 TEL.0794- 87-3906
車:山陽自動車道 三木東IC より北へ
大谷口交差点を右折4分
電車:神戸電鉄 緑が丘駅 下車
神姫ゾーンバス(※土日祝日のみ運行)緑が丘駅発~ネスタリゾート神戸行 伽耶院口下車→徒歩10分
伽耶院に咲くカタクリ

伽耶院では、2008年から地元住民による「花あかりの会」が、境内にカタクリを植えて管理する保護活動を始めました。 三木北高校環境研究部の生徒たちも協力して、日頃から雑草を抜いたり湿度と土の温度の調整を行ったりして、大切にカタクリを守っています。 伽耶院の境内の中や駐車場近くを流れる川の近くに自生地があるのですが、午後になって暖かい陽射しが当たると、ようやくカタクリも花びらを開きます。その頃にお出かけされるのがおすすめです。観賞するときはくれぐれも花を傷めないように、少し離れてそっと見るようにしてくださいね。
まとめ

一日のうちの数時間しか咲かないカタクリ。恥じらうようにうつ向いて咲く姿はとても可憐で心惹かれるものがあります。ひとつひとつは地味な花ですが、まとまって咲くとピンクのカーペットを敷いたようにも見えます。この美しい日本の花をいつまでも見て楽しむことができるように、むやみに掘り起こして持ち帰るようなことをせず、カタクリの保存について私たちも認識を深めるようにしましょう。





